私有地の放置車両を撤去する手順と各種対処方法をプロ業者のヒキトリレンジャー編集部がわかりやすく解説。不法投棄された車両でお困りの方も、呼び方が異なるだけで、同様のことですので本記事を参考にしてください。
私有地に放置された車にお困りではありませんか?『勝手に動かしていいの?』『費用は誰が払うの?』そんなあなたの悩みを解決するため、この記事では法的なリスクを避けながら安全に車両を撤去する全手順を徹底解説。この記事を読めば、明日から何をすべきかが明確になります。
私有地や公道などに第三者が無断で置いていった車でも、勝手に撤去してしまうと、被害を受けた側が罪に問われたり、損害賠償を求められたりするおそれがあります。
他人が置いていった車を片づけるには、自分にしかできないこと(記録・警察への連絡・所有者の調査・撤去の請求)を順に進め、車を動かす作業は、所有者の同意が取れてから専門の業者に任せるのが安全です。まずは要点から確認しましょう。
- 私有地の放置車両は、駐車違反を取り締まる道路交通法の「道路」に原則あたらないため、警察は撤去してくれないという点。ただし盗難車か・事件性がないかの確認はしてもらえるので、連絡はする。
- 勝手に移動すると『自力救済禁止の原則』に抵触するため冷静な対応が必要。
- 所有者が応じないときは裁判。ただし少額訴訟では車をどけさせられない。
- 土地は取り戻せても、かかったお金が戻らないことがある。
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私有地の放置車両は、土地の所有者でも勝手に撤去できない

放置車両を見つけても、手を触れたり、勝手に移動させたりしてはいけません。腹が立つのは当然ですが、先に手を出すと、困らされている側が責任を問われる側に回ってしまいます。
「自力救済の禁止」という考え方
権利を侵害されている側であっても、裁判などの法的手続きによらずに自分の力で解決することは、原則として認められていません。これを自力救済の禁止といいます。
これは条文に「自力救済を禁止する」と書かれているわけではなく、判例で確立された考え方です。最高裁判所は昭和40年12月7日の判決で、自力救済は原則として法の禁止するところであり、法律に定める手続によったのでは権利に対する違法な侵害に対抗して現状を維持することが不可能または著しく困難であると認められる緊急やむを得ない特段の事情がある場合に、その必要の限度を超えない範囲でのみ例外的に許される、という趣旨を示しました。
出典:最高裁判所 第三小法廷 昭和40年12月7日判決(事件番号 昭和38(オ)1236「占有回収等請求」、民集19巻9号2101頁)。2026年9月18日確認。
「例外的に許される」の部分だけを見て、自分の状況は例外にあたると考えるのは危険です。判決が想定しているのは放置すれば権利が失われるような切迫した場面であり、車が何か月も置かれているという状態は、通常これにあたりません。
勝手に動かすと、どの責任を問われるのか
- 器物損壊罪(刑法261条):移動の際に傷をつけた、鍵を壊した場合など
- 窃盗罪(刑法235条):車を自分のものとして処分してしまった場合
- 不法行為に基づく損害賠償(民法709条):車の価値や車内の物の損害を請求される
実務でとくに問題になるのは3つ目です。価値が無さそうに見える車でも、所有者が「動く車だった」「車内に高価な物があった」と主張してきたとき、写真も記録も無ければ反論する材料がありません。
罪の重さや、公道に置かれた車との違いをもっと詳しく知りたい方は、放置車両とは何か、公道と私有地で対応がどう違うかをまとめた記事をご覧ください。
なお、放置された経緯は分からないことがほとんどです。盗まれた車が乗り捨てられたもので、持ち主と置いていった人が別人ということもあります。相手がどんな人か分からないうちに、自分で調べて直接連絡するのは避けてください。
持ち主の分からない車は「無主物」として処分できる?
民法には、一定の期間がたてば持ち主が所有権を放棄したとみなす、という定めはありません。そのため私たちは、この方法をあてにしないことをおすすめしています。ただ、「持ち主が分からない車は、所有権が放棄された物として処分できる」という説明を見かけることがあり、大阪府が私有地の所有者向けに出している参考資料にも、この方法が載っています。
資料によると、警察に所有者を確認できなかった場合(確認できたが所在が分からない場合も含む)は、民法239条の「無主物の帰属」により、土地の所有者などが所有権を取得したものとして撤去・廃棄できるとしています。その前に、貼り紙などで2〜3週間の期限を示して、処分する意思を伝えるという流れです。ただし同じ資料は、掲示の内容や方法に専門的な知識が要るとして弁護士への相談を勧め、手続きを踏んでも後日トラブルにならないとは言い切れない、とも書いています。
出典:大阪府「【参考】私有地における放置自動車の対応について」(PDF)。府の放置自動車条例は府の土地に適用されるもので、私有地には適用されないと資料自身が書いています。2〜3週間は府の資料が示す目安で、法律で決まった期間ではありません。2026年10月5日確認。
民法239条1項は「所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する」と定めています。
出典:e-Gov法令検索「民法」第239条。2026年10月5日確認。

ナンバーの付いた車なら、運輸支局や軽自動車検査協会の記録に持ち主の名前が残っています。その人が本当に車を手放すつもりだったのかは、本人に聞かない限り分かりません。読み違えたときに責任を負うのは土地の側なので、それでもこの方法を考えるなら、弁護士と一緒に進めてください。
所有者をたどれない場合の進め方は、所有者が不明な放置車両を撤去する方法で詳しく説明しています。
撤去までの5つの手順

勝手に動かせない以上、やることは順番に進めることです。目指すのは、所有者の同意を得るか、裁判で撤去を認めてもらうか、のどちらかです。
- 手順1:車の状態を記録する
- 手順2:警察に連絡する
- 手順3:警告文を貼る
- 手順4:所有者を調べる
- 手順5:内容証明で撤去と期限を伝える
- ↓ ここで道が分かれる
- 所有者が応じた場合:撤去の日を決め、所有者が引き取るか、同意を得たうえで業者が撤去する
- 所有者が応じない場合:妨害排除請求の裁判 → 判決 → 強制執行
- 所有者に書類が届かない場合:公示送達を使って裁判を進める
連絡がつけば多くは交渉で解決します。問題は連絡がつかない場合で、ここから時間がかかります。

ここからは、警察署やNEXCO各社、弁護士などと連携して放置車両の撤去や処分を代行してきた経験から、被害に遭って困っている人へ放置車両撤去の手順を詳細に解説します。
手順1:車の状態を記録する
最初にやることは撤去ではなく記録です。後で「勝手に動かした」「傷をつけられた」と言われたとき、手元に証拠がなければ反論できません。
記録は、あとで所有者を調べるときにも、裁判になったときにも使います。次のものを残しておいてください。
- ナンバープレートの全文字(地名・分類番号・ひらがな・番号)と、車種・色
- 車が置かれている場所の住所と、敷地のどこに置かれているかが分かる見取り図
- いつから置かれているか(最初に気づいた日)と、知っている経緯(防犯カメラの映像があれば、その日時)
- 車体の前後左右と周りの写真。同じ位置から日を空けて撮ると、動いていないことの裏付けになります
- 記録した人の名前と、記録した日
日付が分かる形で残してください。撮影日時が記録される設定にするか、日付の分かるものを一緒に写します。放置期間は、後で所有者を照会する際に必要になります。
この段階でドアを開けたり車内の物に触れたりしないでください。施錠されている車を開ければ、その時点で問題になります。
手順2:警察に連絡する(撤去はしてくれない)

「警察に言えば何とかなる」と考える方は多いのですが、私有地の放置車両を、駐車違反として警察が撤去してくれることはありません。ただし、連絡する意味はあります。
私有地の駐車違反は取り締まりの対象外
駐車違反を取り締まる根拠は道路交通法です。この法律がいう「道路」は(道路交通法2条1項1号)、道路法上の道路、自動車道、そして一般交通の用に供するその他の場所を指します。不特定多数が通行しない私有地は、原則としてここに含まれません。
※ 私有地でも、不特定多数が自由に通行できる状態であれば道路交通法上の「道路」と扱われることがあります。自分の土地がどちらにあたるかは所轄の警察署に確認してください。
放置車両確認標章(黄色の標章)が貼られている場合も同じです。標章は駐車違反があったことを記録するもので、車を撤去する効力はありません。
それでも警察に連絡する理由
警察への連絡は、記録や警告文の掲示と同時に行っても構いません。放置車両に気づいたら、まずは所轄の警察署に連絡をして、下記の情報を伝え、事件性の有無を確認してください。結果次第で放置車両の撤去手順が変わるので重要な手順となります。
- あなたの名前/身分/住所/電話番号など
- 放置されている場所
- 放置され始めた時期(日時が分かると良いです)
- 放置車両の特徴(ナンバー/車種/色など)
上記の情報を、電話口の警察官に説明し、事件に関係している車両であるかの確認をしてください。この段階で、放置車両が事件/事故などに関係していることが認められる場合、その車両は警察の手によって証拠品として撤去/回収されることとなります。
あわせて「いつ警察に相談したか」という記録が残ります。これは後で所有者と争いになったとき、こちらが手順を踏んだことの裏付けになります。
所有者が分かった場合、警察から所有者に指導がなされ、本人が車を動かすこともあります(大阪府の参考資料でもそう案内されています)。ただし、警察が所有者の名前や住所をこちらに教えてくれることは、原則としてありません。所有者は、手順4で自分で調べます。
私たちの経験上、多くの場合、事件性がないと判断されるのが常です。その場合は、次の手順(警告文を貼る)へ進んでください。
手順3:警告文を貼る
放置車両の所有者が現場に戻ってきたとき、あなたに対して弁済等が必要な状況になっているという事実と、ひとまず連絡するように促すため『警告書や告知書』といった書面を車両の目立つところに貼ります。
警告文は防水しておく
A4ほどの目立つサイズの紙に印刷、ビニール袋やクリアファイルに入れた後、密閉して雨でもグチャグチャにならないよう防水の工夫をしてください。
窓ガラス4面に貼る
作成した警告文は、養生テープのような雨風に強く、車両に汚れや傷をつけにくい材質のものを選択して放置車両の所有者から逆に苦情を言われないような貼り方を心がけてください。貼り付けるのは、前後左右の窓ガラスで、どこからでも確認できるようにしてください。
車を置いた人が突然戻ってきて、何も言わずに車を持ち去ることもあります。そのときに連絡をもらえるよう、どの方向からも目につく位置に貼っておきます。
警告文ダウンロード
当サイト『オリジナル警告書&告知書』はこちら。

当社オリジナルの警告文は、全国の不動産管理会社さま、個人の方など幅広くご活用いただいており実績があります。上記リンク先の記事ページから『無料ダウンロード』できますので、ご自由に活用してください。
手順4:運輸支局で所有者を調べる
所有者が分からなければ、撤去を求める相手が決まりません。普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会が窓口です。
普通車の場合
普通自動車を放置された場合、その所有者を特定するためには、『手順1:車の状態を記録する』で用意した情報を最寄りの運輸支局に持参、『登録事項等証明書』という持ち主情報の入った書類を手に入れます。
請求にはナンバープレートの文字・数字すべてと、車台番号の下7桁が必要です。あわせて何のために必要なのかを具体的に記入する必要があります。身分証明書も持参してください。
証明書は2種類あります。今の登録内容だけを載せたもの(現在登録事項等証明書)は400円、これまでの持ち主の移り変わりまで載せたもの(詳細登録事項等証明書)は1,200円で、1枚に収まらないときは1枚増えるごとに400円かかります。
出典:国土交通省 自動車検査登録総合ポータルサイト 登録事項等証明書の交付請求について(2026年9月7日確認)
放置車両では車台番号が確認できないことがあります。国土交通省は、自動車登録番号と車台番号を記載できない場合は別途書類が必要になるため運輸支局等へ問い合わせるよう案内しています。実務では、車が置かれている場所の図面や写真、放置期間の資料を求められます。手順1の記録が、ここで効いてきます。
受付時間や窓口の混雑具合によって待ち時間はことなりますが、まもなくして、担当者から登録事項等証明書を受け取ることができるので、この段階で車の所有者の情報が手に入ります。
受付時間は運輸支局ごとに違うので、出かける前に確認してください。
この段階で役立つ記事
軽自動車の場合
軽自動車は運輸支局ではなく、軽自動車検査協会が窓口です。請求する書類も「検査記録事項等証明書」という別のものになります。
協会の案内では、請求書に、ナンバープレートのすべての番号(ひらがな等を含む)または車台番号と、所有者の氏名・住所、交付を受ける理由を書くとされています。所有者の分からない放置車両について請求できるか、何をそろえればよいかは案内に書かれていないため、最寄りの事務所・支所に前もって問い合わせてください。かかる費用は、今の記録だけなら400円、過去の記録まで含めると1,200円からです。受付時間も事務所ごとに違います。
出典:軽自動車検査協会「検査記録事項の証明」(2026年10月5日確認)
所有者が分かっても、すぐに電話をしたり、家に押しかけたりするのは避けてください。相手がどんな人かは、まだ分かっていません。車を置いていった人と持ち主が別人のこともあります。連絡は、記録が残る内容証明から始めます(手順5)。
手順5:内容証明で撤去と期限を伝える
放置自動車の所有者を特定したら、手順1で記録した情報を手元に用意。ここまでに揃えた状況証拠などを再度確認して考えを整理してください。
準備が整ったら『内容証明(一般書留・配達証明付きで送付)』を郵便局もしくは、電子内容証明から車の所有者あてに、自動車を撤去するように促す文章を送付しましょう。駐車場など施設を運営されている方は、滞納金の支払いなどについて記載をする必要がある場合もあると思いますので、組織内で取りまとめて対応を実施するようにしてください。
内容証明は、郵便局が中間に入り、いつ/誰が/何を/誰に内容証明として送付し、相手が受け取ったかどうかの記録として証明になるので、直接交渉するのではなく、まずはこのような便利で安全性が高いサービスの利用を推奨します。
配達証明を付けると、相手に届いた日付も証明されます。訴訟に進む可能性を考えるなら、配達証明まで付けておくことをおすすめします。
文面には、どの車のことか(ナンバー・車種・置かれている場所)、撤去してほしいこと、いつまでに撤去してほしいか、応じない場合は法的な手続きを考えていること、を書くのが一般的です。期限を書いておくと、次に進む時期を自分で決められます。

当社では、放置車両撤去/廃車手続き代行をご依頼をいただいた全てのお客様へ、内容証明の雛形を無償提供させていただいております。
相手と連絡が取れた場合
車を放置している所有者と直接連絡が取れる場合は、撤去する日時の確約をとり、その記録を残しておくようにしましょう!電話なら通話音声を録音、メールなどのテキストコミュニケーションなら、やり取りの前後関係が繋がりやすい文章を意識しながら約束した記録を残して不履行となる確率を少しでも下げられるようにすることがポイントです。
放置車両の持ち主が、車を引き取りに来る場合は、引き渡しの日時はもちろん、補償についての話し合いをするようにしましょう!
もしも持ち主から「取りに行けないから処分してほしい」と言われた場合も、口約束のまま処分してはいけません。廃車にするには、所有者の委任状や印鑑証明書などをそろえて抹消登録の手続きをする必要があります。同意を書面でもらい、放置車両の撤去と廃車手続きの代行ができる業者に頼むのが確実です。
補足情報
所有者が判明している場合は、この段階で放置車両撤去サービスを扱っている当社のような業者へ連絡して、「今回のケースだと、どう動けばスムーズなのか。費用はいくら掛かるのか。」を確認して進めてもらいましょう!
応じない・連絡がつかないときの裁判の選び方
所有者が撤去に応じない、または連絡がつかないときは、裁判で撤去を求めることになります。ここで誤解されやすい点があります。少額訴訟では、放置車両を撤去させることはできません。
少額訴訟では車をどけさせられない
少額訴訟は、60万円以下のお金の支払いを求める場合に使える手続きで、原則として1回の審理で判決が出ます。使えるのはお金の請求だけで、車をどけてほしいという請求には使えません。
駐車場代にあたるお金を請求するのには使えますが、車そのものは残ったままです。撤去を求めるつもりで少額訴訟を選ぶと、最初からやり直すことになります。
出典:裁判所 少額訴訟。なお少額訴訟の利用は、1人につき同じ簡易裁判所に年間10回までと制限されています。
撤去を求めるなら妨害排除請求
自分の土地に他人の車が置かれたままなのは、土地の所有権を邪魔されている状態です。その邪魔をなくすよう求めるのが妨害排除請求で、ふつうの民事訴訟として起こします。請求する額(訴額)が140万円までなら簡易裁判所、それより多ければ地方裁判所が窓口です(裁判所法33条1項1号)。土地に関する訴えは、140万円以下でも地方裁判所に起こせます(同法24条1号)。撤去とあわせて、土地を使えなかった分のお金を求めることもできます。
手数料は請求する額によって変わります。いくらになるかは、裁判所の「手数料」のページの早見表で確かめられます。
その間に動かされたくないときは仮処分
訴訟には時間がかかります。その間に占有者が変わったり車が移されたりすると、判決が意味を持たなくなることがあります。これを防ぐのが占有移転禁止の仮処分で、訴訟の前または途中で申し立て、占有者を変えさせないよう裁判所に決定してもらう手続きです。
仮処分には担保金を法務局に預ける必要があり、金額は事案ごとに裁判所が決めます。使うべきかは状況によるため、弁護士に相談してください。
判決のあとは強制執行
裁判に勝っても、所有者がその通りに車を引き取りに来るとは限りません。来なければ強制執行を申し立てます。車をどけることは本人でなくてもできるので、裁判所に認めてもらったうえで、所有者の代わりに業者などが運び出す「代替執行」という方法をとります。かかった費用は所有者に請求できますが、請求できることと、実際に払ってもらえることは別です。
所有者に書類が届かないとき(公示送達)
登録事項等証明書の住所に送っても宛先不明で戻ってくる場合は、まず住民票などで転居先を探します。それでも所在が分からなければ、公示送達を使って裁判を進めます。
相手の住所が分からず書類を届けられない場合でも、裁判所が「書類を預かっていて、いつでも渡せる」という趣旨を公示することで、送達したものと扱う制度があります。これを公示送達といいます。どのような場合に使えるかは民事訴訟法110条に、その方法は同法111条に定められています。
2026年5月21日から、公示送達の方法が変わりました。これ以降に申立てのあった事件では、その公示が裁判所のウェブサイトなどインターネットで閲覧できる状態に置かれます。それ以前に申立てのあった事件については、従来どおり各裁判所に設置された掲示場で確認します。
公示されるのは「裁判所が書類を預かっている」という事実だけで、訴状などの中身が公開されるわけではありません。
出典:裁判所 公示送達・公告(2026年9月7日確認)
公示送達を使えば、連絡が取れないままでも訴訟を進められます。ただし相手が出頭しないからといって自動的に勝てるわけではありません。こちらの主張を裏付ける資料は必要です。手順1で記録を残す理由が、ここにもあります。
住民票のたどり方や、所有者が亡くなっている場合(裁判の相手は相続人になります)、ローン会社の名義になっている場合などは、所有者が不明な放置車両の対処方法で詳しく説明しています。
相手に請求できるお金と、戻らないこともある理由
車を置いていった人や、撤去を求められても応じない所有者には、生じた損害を不法行為に基づく損害賠償(民法709条)として請求できる場合があります。たとえば撤去にかかった費用や、車が置かれていたあいだ土地を使えなかった分(駐車場であれば、その区画の賃料にあたる額)です。裁判を起こすなら、撤去の請求とあわせて求めることができます。ただし709条で請求できるのは、相手に故意や過失がある場合です。盗まれて乗り捨てられた車のように、所有者に落ち度が無ければ請求できないこともあります。
ただし、請求できることと、実際に払ってもらえることは別です。車を置いたまま連絡がつかない相手は、払うお金を持っていないこともあります。相手に財産がなければ、判決をもらっても回収できず、費用は土地の側の負担で終わります。

「無断駐車は罰金○万円」といった掲示を見かけますが、掲示した金額がそのまま認められるとは限りません。請求できるのは、実際に受けた損害の分と考えておくのが安全です。私たちは、お金を取り戻すことよりも、まず土地を取り戻すことを目標にして、かける費用を決めることをおすすめしています。
撤去までにかかる期間の目安は、放置車両の撤去までの期間と、放置車両の撤去&廃車サービスのページにまとめています。
業者に頼む場合

業者に頼むのは、所有者の同意が取れてから、または判決が出てからです。同意も判決も無いまま車を運び出せば、頼んだ側も責任を問われかねません。警察への連絡・内容証明の送付・裁判は、業者が代わりにできることではありません。
撤去にかかる費用は、車の状態で決まります。当社の場合、車両の引き取りが着手金15,000円(税別)からで、鍵が無い・自走できない・立体駐車場から出すといった条件ごとに作業料金が加わります。料金表と、状況ごとの積算は放置車両の撤去&廃車サービスのページにまとめています。業者の選び方も、同じページで説明しています。費用の考え方をもう少し詳しく知りたい方は放置車両撤去の費用もご覧ください。
当社が放置車両の撤去に対応している主な地域は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県・群馬県・栃木県・山梨県・静岡県の1都8県です。基準になるのは車のナンバーの地名ではなく、車を引き取りに伺う場所です。市区町村ごとの対応状況は廃車サービスの対応地域でご確認ください。
この段階で役立つ記事
放置された場所ごとの対応
車が放置された場所によって、撤去の流れ・費用・注意点はもとより、業者選びで考えなければならないことが異なることもあります。そのため、当社では、車両が放置されている場所、例えば「駐車場」や「空き地」などに応じた業者との連携について、個別の記事をご用意しています。
下の3つの分類から、あなたの状況にあてはまるものを開いてください。集合住宅と管理物件は管理規約や区分所有者との調整が、商業施設と駐車場は営業への影響と利用規約の確認が、屋外や公共の場所は土地の管理者が誰かの確定が、それぞれ論点になります。
放置車両撤去の無料相談フォーム
私有地の放置車両についてよくある質問
いいえ。土地の所有者であっても、所有者の同意や裁判の手続きなしに撤去・処分すると違法になるおそれがあります。傷をつければ器物損壊罪(刑法261条)、自分のものとして処分すれば窃盗罪(刑法235条)、車の価値や車内の物について損害賠償(民法709条)を問われる可能性があります。判例でも自力救済は原則として禁止されています(最高裁 昭和40年12月7日判決)。撤去するには、所有者の同意を得るか、妨害排除請求の訴訟で判決を得る必要があります。
順番があります。まず車両の状態を写真と図面で記録し、警察に連絡して盗難車でないか・事件性がないかを確認し、窓に警告文を貼ります。そのうえで運輸支局で登録事項等証明書を取得し、所有者を特定します。所有者が分かったら内容証明郵便で撤去を求め、応じない場合や連絡がつかない場合に、はじめて裁判へ進みます。
普通車は運輸支局で登録事項等証明書を、軽自動車は軽自動車検査協会で検査記録事項等証明書を請求します。軽自動車の請求書には所有者の氏名・住所を書く欄があるため、所有者が分からない場合に請求できるかは、前もって協会に確認してください。警察に聞いても、所有者の名前や住所は原則として教えてもらえません。普通車で車台番号が確認できない場合は、置かれている場所の図面や写真、放置期間の資料を求められることがあるので、先に記録を残しておきます。
駐車違反として撤去してもらうことはできません。駐車違反を取り締まる道路交通法の「道路」に、不特定多数が通行しない私有地は原則として含まれないためです。放置車両確認標章(黄色の標章)が貼られていても、車を撤去する効力はありません。ただし、盗難車でないか・事件性がないかを確認してもらうため、警察への連絡は必要です。
できません。少額訴訟は60万円以下の「金銭の支払」を求める訴えに限られ、物の引渡しや撤去は対象外です。駐車料金相当額などの金銭を請求する場合には使えますが、車をどけさせるには、妨害排除請求の訴訟を起こす必要があります。
まずは、車の写真を日付が分かる形で撮り、警察に連絡するところから始めてください。そのうえで所有者を調べ、内容証明で期限を伝えれば、話がつくことも少なくありません。応じてもらえない、連絡がつかないとなったら、そこが弁護士に相談する分かれ目です。所有者の同意が取れて、車の運び出しや処分を頼める段階になったら、無料相談をご利用ください。


































































私有地の放置車両は、次の5つの手順で進めます。
写真と日付で、いつから・どんな状態で置かれているかを残します。
撤去はしてもらえませんが、盗難車でないか・事件に関係していないかを確認してもらいます。
持ち主が戻ってきたときに連絡をもらえるよう、窓に貼ります。
普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会で証明書を請求します。
期限を決めて、撤去してほしいことを書面で伝えます。
所有者が応じない、または連絡がつかない場合は、裁判で撤去を求めることになります。どこまでを自分で進め、どこから弁護士や業者に任せるかも、あわせて説明します。